7日 原油は反落、地政学的リスクへの過度な警戒感が後退
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(12月限)は前日終値と比べ36セント安の80.46ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(1月限)は同39セント安の84.79ドル/バレルと、いずれも反落している。 7日アジア時間午前の原油市況は軟調。需要減少懸念や地政学的リスクに対する過度な警戒感の後退が相場を押し下げている。サウジアラビア国営サウジアラムコは5日、アジアの契約者向けとなる12月積みアラブ・ライト原油(AL)の公式販売価格(OSP)のフォーミュラを前月から据え置いた。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「需要の減少を意識しているのだろう」との見方を示した。 中東情勢への過度な警戒も後退している。上野氏は、「イスラエルとハマスの衝突は現時点でイスラエル国内にとどまっており、周辺産油国へ波及していない」と指摘した。さらに、アジア時間午前には、イスラエルのネタニヤフ首相が、人質の解放などを目的とした「戦術的な小休止」を検討する考えを示した、と一部報道機関が報じた。上野氏は「世界的には良いニュースだが、原油にとっては弱材料。より一段と原油市況を圧迫する可能性がある」と述べた。足元でドルが持ち直している点も、ドル建て商品である原油の割高感につながり、上値を抑えているようだ。 なお、7日は中国の10月貿易収支が発表される予定となっており、関心事の一つとなっている。 日経平均株価は前日比274円21銭安の3万2,434円27銭で推移している。ドル円相場は1ドル=150.10円と、前日の17時時点(149.74円)と比べドル高・円安方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):176.63(↓1.10)
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